お茶の水女子大学歴史資料館ではたらく学生のブログ

企画展【学生寮で暮らす】第2回:学生寮での食事

第2回 学生寮での食事


オンライン企画展【学生寮で暮らす】の第2回では、「学生寮での食事」をテーマに、学生寮の生活を紐解いていきます。


現在のお茶の水女子大学の敷地内には、かつて「第一寄宿舎」という寄宿舎が建設されていたことをご存知ですか。

今は文京区の大塚に建っているお茶の水女子大学ですが、昔は「東京女子高等師範学校」と呼ばれる寄宿舎を備えた学校で、御茶ノ水の地に建っていました。
しかし、大正12年(1923)に起きた関東大震災により、御茶ノ水の東京女子高等師範学校の校舎と寄宿舎は焼失。移転を余儀なくされ、昭和3年(1928)に新校地として交付されたのが文京区大塚でした。

昭和4年(1929)には、構内に第一寄宿舎が、昭和11年(1936)には同じく第二寄宿舎が完成し、学生たちは構内の寄宿舎で暮らしながら、学校に通えるようになりました。


では、この第一寄宿舎で昭和5年から昭和11年ごろに撮影された炊事場や食堂の写真資料を見ていきましょう。


1、炊事場
こちらは、炊事場での調理の様子を写した写真資料です。
第一寄宿舎では、調理担当の学生が寮生全員分の食事を調理していました。寮生の数はおよそ300人。凄まじい人数ですね。調理担当の学生たちは炊事部委員と呼ばれ、4年生12人で構成された彼女たちは、献立の作成・仕入れを行い、5人の雇人を指揮監督して調理まで一手に担っていました。
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寄宿舎写真帖「夕食の調理」(昭和5年(1930)3月)


炊事部委員が写っていない写真では、流し台、調理台、積み重なったお櫃など、調理中の写真資料ではわからなかった調理器具や設備も見えます。
炊事場2_a_ph_017-0026
寄宿舎写真帖「炊事場」(昭和5年3月)


中でも注目したいのが、写真奥に写っている大きなお釜です。
炊事場3_a_ph_413-0072
落成記念写真帖「炊事場」(昭和11年11月)


この炊事場では300人分の食事を準備していたという言葉の通り、大人数の食事を一度に調理できるような大きな調理器具が使われていたのでしょう。
この写真資料のみでもその大きさが窺えますが、改めて1枚目の写真資料をみて人の大きさと比較してみると、やはり尋常ではない大きさであることがわかります。まるで、現代の給食センターのお鍋のような規模です。


2、食堂
炊事場で調理された食事は食堂に運ばれ、食事の時間が始まります。
夕食は5時30分でした。ひとつのテーブル囲むのは、同室の8人とされています。
食堂1_a_ph_413-0066
落成記念写真帖「食堂」(昭和11年11月)


お茶の水女子大学歴史資料館のデジタルアーカイブズに所蔵の資料をみる限り、テーブルに乗っている品目は米と汁物とおかずが2品程度であるようです。

時代は少し下りますが、昭和17年(1942)ごろの奈良女子高等師範学校の寄宿舎では白菜や大根、里芋、ほうれん草…といった野菜を寄宿舎での食事で取り入れていたようです。
特に地域の特産品等ではないので、似たような食材を取り入れていたと推測すると、メニューもなんとなく想像することができます。

この食堂は、朝食・夕食といった食事の時だけではなく、朝礼や祝日の夜会などでも使用されていました。
食堂2_a_ph_017-0015
寄宿舎写真帖「食堂」(昭和5年3月)


残念ながら、第一寄宿舎の食事の内容について詳細な記録は明らかにできませんでしたが、昭和初期は東京女子高等師範学校以外にも寄宿舎を備えた学校が多く存在していました。いずれの学校においても、たくさんいる寮生の食事を賄うべく献立が考案されていたようです。



第2回はMuSAの「なめこ」が担当しました。
第3回は「まり」が「寄宿舎の余暇と休日」をテーマに、寄宿舎での生活をさらに紐解いていきますので、どうぞお楽しみに。

オンライン企画展【学生寮で暮らす】では、Twitter連動企画「#とある1日企画」を実施しています。
ぜひ覗いてみてください。@ocha_musa

参考文献
• お茶の水女子大学歴史資料館デジタルアーカイブズ「お茶大の歩み」
https://www.lib.ocha.ac.jp/archives/chrono1923.html  最終閲覧日11月8日
• 新校舎に学ぶ「寄宿舎 食堂」(昭和11年10月)
https://www.lib.ocha.ac.jp/archives/exhibition/a_ph105-125/a_ph_125-0063.html
• 安原美帆「昭和戦前期における食事の内容にみとめられた外来野菜普及の背景」『会誌食文化研究』、1(2005)、39-43頁

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